精密低温窒化処理(PSN処理)
精密金型、精密ステンレス部品を新たな表面改質する窒化方法です。
PSN処理とは?
PSN処理は、当社が開発した、ステンレス精密部品、精密金型をターゲットにした、精密低温窒化処理です。
プラスティック原材料を特殊工法で配合し、窒化源として用いる画期的な処理方法です。環境にやさしく、又、原材料の有効利用ができ、環境負荷が殆どない特徴があります。現在、世界的テーマである、オーステナイト系ステンレスの耐食性を落とさず硬化する方法を研究開発しています。
特徴
- ステンレス鋼の窒化処理が容易に出来る。(特に、SUS303、SUS304、SUS316)
- 低温処理(400℃~520℃)が可能で、寸法変化、変形を最小限に抑えることが出来る。
- 複合処理が容易に出来る。後工程として、ショットピーニング、PVD処理等の複合処理が可能で、相乗効果による改善が出来る。
- 機械的特性の改善
・耐摩耗性の向上(ステンレスの場合は、Hmv1,000以上の高硬度が得られる)
・疲労強度の向上
・耐熱性の向上 - 樹脂金型における離型性の向上
ECOを重視した窒化処理法(環境重視の製品に適合)
例えば、ガス軟窒化処理法では、多量のRXガス、アンモニアガスを使用しますが、PSN処理法は、少量のリサイクル可能な有機媒体を使用し、N(窒素)を主成分とした拡散を行う処理方法です。また、電力消費量も少なく、総合的に環境を重視した処理と言えます。
すでに、環境重視を会社方針と掲げられているお客様には、多く採用して頂いています。
ハイブリッドPSN処理 |
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PSN処理後、特殊表面処理を連続的に行うことにより、新たな機能が生まれます。今主流は、PSN-M、PSN-Bです。 |
PSN-M (銀白色)PSN処理の機能をいっそう高めた処理で、外観品質を含めて、現在、主流の表面処理です。 |
PSN-B (黒色)PSN処理後、表面へ酸化皮膜を生成し、潤滑特性と、耐食性を向上させます。 |
PSN-W (艶消し色)PSN処理後、WPC処理を付加したもので、デンプル効果、残留圧縮応力の向上により、フリクションの改善、疲労強度の改善が望めます。 |
PSN-PPSN処理後、PVD処理を行ないます。母材との硬度ギャップを低減し、PVD膜の密着強度を向上させます。 |
適応材料
- ステンレス鋼(マルテンサイト系) ~ SUS410、SUS420J2、SUS403、SUS416、SUS440C
スターバックス、HPM-38等) - ステンレス鋼(フェライト系) ~ SUS405、SUS430、SUS434、SUS447J1等
- ステンレス鋼(オーステナイト系) ~ SUS301、SUS303、SUS304、SUS316、SUS317、SUS321、SUS347
- ステンレス鋼 ~ SUS630、SUS631
- ダイス鋼 ~ SKD11、SKD61、DC53、SLD、AUD、KDS等のダイス鋼
- ハイス鋼(HSS) ~ SKH51、SKH55、SKD57、HAP系、MH系等のハイス鋼
- 金型材料(プレハードン鋼) ~ NAK55、NAK80、HP系、等
- その他 ~ SCM材、SNC材、SNCM材